最低賃金引き上げに「対応する」企業は83.2%帝国データバンク調査

最低賃金の引き上げについて、「対応する」企業は83.2%―。帝国データバンクが企業を対象に実施した最低賃金引き上げへの対応策などについてアンケート調査で、こんな結果が判明しました。

厚生労働省の審議会は7月28日、2023年度の最低賃金の目安を、1,002円にすると決定。これにより最低賃金は現在の961円から41円上昇します。

調査で、今回の最低賃金の引き上げへの対応有無を尋ねたところ、何らか「対応する」企業は83.2%と8割を超え、「対応しない」(10.4%)を大きく上回りました。

その対応の具体策を聴いた(複数回答)ところ、「もともと最低賃金よりも高いが、賃上げを行う」が46.5%と最も高くなりました。次いで「最低賃金よりも低くなるため、賃上げを行う」(25.0%)が続き、最低賃金の引き上げを受けて「賃上げ」を行う企業は、70.6%と7割に達しました。

賃上げの理由として、「今まで就業している人はすでに今回の最低賃金を超えているが、新しく採用する人との差がなくなるので引き上げざるを得ず、負担が増える」(化学品製造)と在籍中の従業員の待遇改善や、「有能な人材へは最低賃金を大きく超える対応をしており、これからも同様の対応をする」(飲食店)といった人材確保を目的とする声もあったそうです。

一方で、「最低賃金が上がっても130万円の壁があるので、パートさんの働く時間が減るだけ」(運輸・倉庫)と「年収の壁」問題のほか、「パート従業員の時給はほとんどが1,000円以下なので改定されれば上げざるを得ないが、物価高・コスト高で利幅が取りにくいなか、さらなる追い打ちをかけられるようなもの」(飲食料品・飼料製造)との物価高を背景とした厳しい実情も聞かれました。

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