葛飾北斎と言えば、江戸時代後期の代表的な浮世絵師。ゴッホなど海外の画家にも影響を与えたとされています。
その北斎が小布施、諏訪、松本という信州の視点から振り返る展覧会「葛飾北斎と３つの信濃－小布施・諏訪・松本－」が7月1日から8月27日まで、長野県立美術館（長野市箱清水）で開催されます。

晩年に信州小布施で描いた肉筆画、岩松院の天井絵「鳳凰図」関連作品、冨嶽三十六景」全46図など、北斎ファンは見逃せない展覧会になりそうです。

小布施で描いた北斎晩年の傑作である「上町祭屋台天井絵『女浪』図」と「東町祭屋台天井絵『鳳凰』図」が揃って展示されるほか、北斎もその建築に大きく関わった「上町祭屋台」が初めて小布施町を離れ公開されます。

また、小布施町にある岩松院本堂21畳の天井に描かれた北斎の大作「鳳凰図（通称・八方睨み鳳凰図）」をデジタル化し、縦5.5メートル、横6.3メートルの原寸大で再現した「高精細複原図」を天井高 7.2メートルの展示室で観覧できるそうです 。

北斎は浮世絵に「風景画」という新たなジャンルを確立しましたが、その風景画シリーズ「諸国瀧廻り」や「諸国名橋奇覧」、「千絵の海」など錦絵の名品も一堂に展示するほか、100年以上行方が知れず、幻の作品といわれた「隅田川両岸景色図巻」も。北斎作品の最長といわれる長さ716センチの紙本巻物の肉筆画で、北斎壮年期の傑作と評された作品とされています。

さらに、「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」など、世界に知られた北斎の代表作「冨嶽三十六景」全46図も展示するという贅沢な展覧会となるそうです。