最低賃金引き上げへの対応83.2%の企業が「対応する」 現時点の採用時の最も低い時給1,086円で最低賃金を84円上回る

政府が2023年度の最低賃金の目安を全国平均で時給1,002円とした最低賃金の引き上げについて「対応する」とした企業は83.2%-。こんな結果が、帝国データバンクが行った最低賃金引き上げへの対応策などについてのアンケートで分かりました。

調査は8月4日~7日にインターネットで実施、有効回答企業は1,040社。今回の最低賃金の引き上げを受けて、自社の対応有無を尋ねたところ、何らか「対応する」企業は83.2%と8割を超え、「対応しない」(10.4%)を大きく上回りました。

具体的な対応策(複数回答)としては、「もともと最低賃金よりも高いが、賃上げを行う」が46.5%と最も高く、次いで「最低賃金よりも低くなるため、賃上げを行う」(25.0%)など、最低賃金の引き上げを受けて「賃上げ」を行う企業70.6%となりました。

一方で、「最低賃金が上がっても130万円の壁があるので、パートさんの働く時間が減るだけ」(運輸・倉庫)と「年収の壁」問題のほか、「パート従業員の時給はほとんどが1,000円以下なので改定されれば上げざるを得ないが、物価高・コスト高で利幅が取りにくいなか、さらなる追い打ちをかけられるようなもの」(飲食料品・飼料製造)との物価高を背景とした厳しい実情も聞かれたそうです。

また、現時点で従業員を採用する時の最も低い時給について尋ねたところ、全体平均は約1,086円となりました。現状の最低賃金(961円)からは125円高く、2023年度の目安である全国平均1,002円を84円上回っており、人手不足を背景に、雇用維持を目的として賃金を高めに設定する動きがみられるようです。

業界別にみると、「不動産」「建設」「サービス」で全体を上回る一方、「小売」「運輸・倉庫」などでは下回ったそうです。

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