岡本太郎記念館が企画展「顔は宇宙だ。」 描きつづけた多彩な顔から何を感じる?

「芸術は爆発だ」。 そう喝破したのは、日本が誇る芸術家の岡本太郎(1911〜1996年)さんです。芸術家としての名声がありながら1970年代、テレビのバラエティ番組で「芸術は爆発だ」などと叫び、それが子供たちの大人気を博しました。

岡本さんといえば、1970年に日本で開かれた日本万国博覧会です。当時の日本は高度経済成長を遂げ、これからまさに先進国になろうとする時期ですから、万博も国家プロジェクトでした。

その会場の中央、シンボルゾーンにテーマ館の一部として建てられたのが岡本さんの「太陽の塔」です。

太陽の塔は高さ70メートルの巨大なモニュメントで、日本だけでなく世界中の人々の度肝を抜くものとなりました。内部には原生生物から人類に至までの生命の進化の過程を表現した高さ約41メートルの「生命の樹」がありました。博覧会以降、原則非公開だったのですが、復元、再生して2018年3月から公開されていますので、若い人でも実際に目にした人は多いかもしれません。

「太陽の塔」は、頂部に「黄金の顔」があり、これは未来を象徴するもので、正面の「太陽の顔」は現在を象徴、そして背面の「黒い太陽」は過去を象徴していたそうです。

この太陽の塔でも分かるように、岡本さんにとって顔は特別なモチーフだったそうです。岡本さん自身「顔は宇宙だ。顔は自であり、他であり、全体なのだ。そのど真ん中に眼がある。それは宇宙と一体の交流の穴」などと語っていたようです。 その岡本さんの想いを知ることができる企画展「顔は宇宙だ。」が、7月14日から11月14日まで岡本太郎記念館(東京都港区南青)で開かれます。「太郎が生涯にわたって描きつづけた多彩な顔をご覧いただきます」(平野暁臣同館館長)とのことです。岡本さんの想いが詰まった多彩な顔に触れ、何を感じるのか、楽しみです。

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