長野県・湯田中温泉に2024年３月、全５室の露天風呂付客室の宿「松籟荘（しょうらいそう）」が開業します。
同温泉の老舗旅館「よろづや」を運営する「萬屋傳蔵」（長野県山ノ内町）が開設するもので、火災に見舞われた登録有形文化財を改修し、伝統を受け継ぐスモールラグジュアリーの宿になりました。

「松籟荘」はもともと「よろづや」の離れ。1939年に完成した木造の数寄屋造りで、2003年に国の登録有形文化財に指定され、湯田中温泉郷の地域のシンボルとなっていましたが、2021年2月に火災に見舞われたそうです。
しかし、地域の人や「よろづや」の利用客らから惜しむ声が上がり、「長く愛される宿を作りたい」との想いで新たな「松籟荘」が再建されました。

新たな松籟荘は場所を変え、全５室スモールラグジュアリーの宿。外観などの姿は以前と大きく変わったそうですが、館内の所々に旧松籟荘の意匠を再現し、また一部の調度品は旧松籟荘で使用していた物と同じデザインで制作しています。

すべての客室には自家源泉である天然温泉かけ流しの露天風呂と、四季折々の景色を楽しむ事ができる坪庭を設けており、自然と一体になる日本の建築美を意識した数寄屋建築にこだわっています。

現在、質の良い材料の入手が難しくなっていることに加え、技術者の高齢化と、技術の継承が困難になっているため、和室や和風建築の実現が非常に難しくなっているそうですが、数少ない熟練技術者と本物の素材にこだわり、手仕事の美を追求。
日本建築の美しさや、普段は触れることの少ない日本の伝統に触れることが可能な宿になったそうです。

料金は1泊2人利用時で１人53,000円～。すでに公式ホームページで予約受付をしています。