温泉水で種籾を発芽させた米の日本酒を発売 山形・庄内、1300年の歴史ある湯田川温泉で

米どころとして知られる山形県庄内平野に位置し、1300年の歴史がある湯田川温泉の旅館協同組合がこのほど、地元の酒蔵「渡會本店(わたらいほんてん)」とコラボレーションし、全国でも珍しい、温泉水で種籾を発芽させる「芽出し」作業で育てた米「つや姫」「はえぬき」を使った純米大吟醸「女神のしずく」、純生酛(きもと)純米「乳いちょう」を、湯田川温泉の旅館8軒などで提供、ネットでも発売しました。

湯田川温泉では、稲刈りやしめ縄づくり体験を提供するほか、伝統芸能「神楽」を通年で見学できる環境を整えるなど、旅行者だけでなく移住検討者にもアピールするそうです。

純米大吟醸「女神のしずく」は42度の温泉源泉温度にならい、山形を代表する米「つや姫」を42%まで削った香り豊かな味わい。
純生酛純米「乳いちょう」は、昔ながらの生酛作りで醸す、ほどよい酸味とすっきりした味わいで、「はえぬき」を使用しています。

いずれも種籾を温泉水で発芽させる「芽出し」を行って稲苗(とうびょう)を育てて米作りを行い、収穫した米を使っているのが特徴。一般にお湯で行われることの多い「芽出し」を催芽場と呼ばれる温泉水の水槽で温泉水に種籾を浸けて行う方法は江戸時代から続いており、同地域の春の風物詩として知られているそうです。

湯田川温泉の温泉街からすぐの山手には、映画「たそがれ清兵衛」にも登場する由豆佐売神社(ゆずさめじんじゃ)があります。地域の守り神であり、出湯と水の神様が祀られた境内には、古くから妊婦の乳の出を願う信仰の対象となっていた祠を由来とする大木の「乳イチョウ」がそびえます。

また、庄内潘公酒井家の藩邸でも演じられた伝統芸能「湯田川温泉神楽」は、インド舞楽の形式をそのまま取り入れた全国的にも珍しい楽曲とされています。

純米大吟醸「女神のしずく」は720ミリリットルで2200円。純生酛純米「乳いちょう」は720ミリリットルで1430円。

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