これはびっくり! 国宝「縄文の女神」の複製 3次元計測データで表面の凹凸も忠実に再現

1992年8月、山形県舟形町の遺跡から腰、頭、胴、右足など5つに割れた土偶が相次ぎ出土しました。復元を進めると高さ45センチと日本最大の土偶で、角ばった肩からW字に乳房が張り出し、腹部には妊産婦を表現した突き出した個所にヘソをあらわす刺突がありました。

その立像土偶は、均整のとれた八頭身の美しい容貌から、いつしか「縄文の女神」と呼ばれるようになり、現在は国宝として山形県立博物館に所蔵されています。

その国宝「縄文の女神」の高精細のレプリカがこのほど、完成しました。製作したのは「大塚ホールディングス」の子会社「大塚オーミ陶業」で、舟形町内で原物を見ることができないため、住民にその魅力を広く知ってほしいと同町から依頼を受けたそうです。

複製は、耐久性が高く、変色もしない陶で作られているため、触れることはもちろん、持ち上げたり、床面のミラー越しに足の裏面を観察したりすることもできるそうです。

複製製作では舟形町から3次元計測データを提供してもらい、「大塚オーミ陶業」で編集・製作。3次元データを活用することで、形状だけでなく表面の凹凸も忠実に再現することが可能となりました。

また、細かな質感は原物写真を確認しながら同社の技術者が手作業でレタッチを行い、ざらつきや色彩などを再現。さらに、山形県立博物館学芸員の指導・助言のもと、原物と比較をしながらの検品を経て、重さまでほぼ同じの高精細レプリカが完成したそうです。

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