アサヒビールが社有林で「低コスト再造林プロジェクト」実験 スギの伐採まで50年を30年に

「アサヒグループホールディングス」は先ごろ、「全国森林連合組合会」と「農林中央金庫」が立ち上げた、「低コスト再造林プロジェクト」に参画すると発表しました。事業の成長とともに持続可能な社会を実現するため、プロジェクトで得た成果を全国に波及させて再造林を促進し、持続可能な森林・林業経営の実現に向けて取り組みを進めるとしています。

プロジェクトは、人工林を伐採した跡地に再び苗木を植えて人工林をつくる再造林や育林にかかる期間の短縮やコスト削減を実現する試み。

社有林「アサヒの森」の一部を試験地として提供し、早生樹「コウヨウザン」を育林するもので、実証実験の実際の作業は、「三次地方森林組合」に委託するそうです。

「アサヒの森」の三次市地区の一部、約1ヘクタールを伐採し、伐採と造林を一体的に行うことにより、10月下旬から「コウヨウザン」の苗木約1,500本を植栽。5年間の実験期間で生育状況を確認し、従来型の造林と比較した作業量や育林コストの低減などを検証します。

「アサヒの森」は、アサヒグループが1941年から広島県庄原市と三次市に保有している森林で、現在の総面積(管理面積を含む)は2,467ヘクタールで、持続可能な森林経営を続けているそうです。

同社は「林業は気候変動の緩和・適応に貢献する産業であり、森林の適切な整備や保全等を通じて地球温暖化防止の取り組みを推進していく必要がある」などとしており、林業が抱える課題を解決し、持続可能な森林・林業の実現に向けた新たな事業モデルを開発して社会実装することで、山村地域の活性化にもつなげたい考えだそうです。

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