侵攻6カ月、日本企業の「脱ロシア」は2カ月連続ゼロ 懸念だった「レピュテーションリスク」は想定より小さく

ロシアによるウクライナ侵攻が6カ月を経過しました。民主主義国を中心に世界各国が協調してロシアに対して制裁を実施。民間企業によるロシアからの撤退も相次ぎました。

そうした中、帝国データバンクの、ロシアに進出する日本の主要企業168社の調査(8月調査)によると、日本企業の「脱ロシア」(事業の停止、撤退)した企業が2カ月連続で新規ゼロであることが判明しました。

調査によると2022年2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、8月21日までにロシア事業の停止や制限・撤退を新たに発表・公開した企業は、全体の4割に当たる74社で、前月に引き続き、新たなロシア事業の停止や撤退を表明した企業はゼロでした。

ロシア事業の停止・撤退を巡っては、3月15日時点では37社でしたが、4月11日時点では60社に増加。その後、5月17日時点では11社増加の71社になりましたが、6月19日時点、7月22日時点では74社で推移していました。

3~4月にかけてはロシア事業の停止や撤退といった「脱ロシア」の動きが相次いだものの、その後は脱ロシアの機運が急激に低下。7月以降は新規の「脱ロシア」の動きはなくなった形となっています。

帝国データバンクは「日本も含め、中堅企業や対ロ事業の割合が軽微な企業では引き続き対ロ事業を継続しており、西側諸国の『脱ロシア』の動きはペースダウンしている。ロシア事業依存によるレピュテーションリスクは『当初の想定に比べて深刻度は小さい』といった指摘もあり、ロシアビジネス撤退には慎重姿勢をみせる企業が多い」と分析しています。

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