人口500人の山梨・丹波山村で「タバラーメン」 鹿骨出汁を実現、ジビエを持続可能な産業にと

最近注目されている言葉に「ジビエ」があります。狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味するフランス語で、鹿肉などジビエは基本的に高タンパクで低カロリーのため、若い女性に人気だったり、アスリートが食生活に取り入れたりしているようです。

雲取山、飛竜山、大菩薩嶺などの険しい山々に囲まれ全体の97パーセントは山林、7月1日現在の人口が535人という山梨県丹波山村。同村で「タバジビエ」というブランドで野生鳥獣の捕獲、解体、加工、販売をしている「アットホームサポーターズ」が鹿の骨や肉を使ったラーメン「タバラーメン」を開発しました。

7月22日から、土曜、日曜、祝日を中心に、キッチンカーで村内を移動販売しています。

「タバラーメン」は、鹿の肉と骨を使った鹿ラーメン。スープは鹿骨の出汁ベースで、鹿肉もたくさん。豚骨とも魚介類とも異なり、野趣たっぷりでありながら、深い味わいのラーメンとなっています。

ただ、このラーメンには、単なる美味しいラーメンを開発しただけでなく、過疎地域の活性化や、野生鳥獣の有効活用といった社会課題を解決するという熱意も込められているようです。

同社が進めているのは、鹿の有効活用だそうです。4年前の丹波山村での鹿1頭当たりの平均利用率は約25%。体重45キロ前後だとすると、そのうち食肉として活用できる部位はたったの11キロで、それ以外の内臓、皮、骨、頭といった部分は活用されず産業廃棄物として捨てられていたそうです。

同社はこの状況を打開するため、皮は山梨の伝統工芸品に、内臓は食用に回せる部位は食用にし、それ以外の部位はドッグフード、頭は角をインテリアとして活用しました。

そして、回骨をラーメンにすることで、約70%の有効利用を実現できることになったそうです。

ジビエの有効利用を推進することで、ジビエを持続可能な産業とするという熱意が今回のラーメン開発に込められているそうです。

土日祝日に丹波山村に足を運び、キッチンカーを探し出し、そんな深い意味も込められた鹿ラーメンを味わってみてはいかがですか。

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