高野山「清浄心院」で写真家永坂嘉光さんの作品展シンと静まりかえる長い廊下を展示場所に

和歌山県高野町の「高野山 別格本山 清浄心院」は2月1日から3月31日まで、写真家永坂嘉光さんの作品展「自然の光に浮かび上がる写真展」を開催します。
この写真展が他の写真展と違うのは、展示場所が清浄心院の客殿の廊下だというところです。自然の光が差し込みながらもシンと静まりかえった長い廊下で、永坂さんの写真に向かえば、心が洗われるに違いありません。

永坂さんは高野山出身の写真家で、高野山をライフワークに撮影をしているほか、宗教と文化をテーマに日本各地やインドなどアジア各国で撮影。その活動は幅広く認められ、2004年 に「日本写真芸術学会芸術賞」、2007年に「日本写真協会作家賞」、2009年に「和歌山県文化功労賞」などを受賞しています。
写真集も「高野山」、「弘法大師の足跡」、「永遠の宇宙 高野山」などがあります。

一方、「清浄心院」は当天長年間(824〜34年)に弘法大師により草創されたもので、徳川時代には院領高35石、上杉謙信、佐竹義宣などの諸大名が檀家となったそうです。

奥之院にあり、国の需要文化財に指定されている「上杉謙信霊屋一棟」の本尊「廿日大師像は、承和2(835)年3月20日、入定を明日に控えた弘法大師により彫刻され、像の背後に「微雲管」の3字が書かれていると伝わっています。

境内には、重要文化財の阿弥陀如来立像、九品曼荼羅、当麻建立之図などがあり、門内の名木傘桜も見所のひとつとなっています。この傘桜は、豊臣秀吉が花見を催したという逸話も残っているそうです。 「清浄心院」はその名の通り、清浄で簡素でありながら、その優雅さは歴史が生み出したものです。今回、展示されるのは高野山の自然の一瞬を切り取った作品などで、まさに作品と展示場所の融合が楽しめそうです。

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